S級の視線 |
平田生雄 |
第18回 【感と勘】 似てる言葉ですが、感覚・感性・第六感・直感・ひらめき・山勘etc. 何故、こんな話しをするのかと言えば、スポーツ選手の素養としては不可欠であると思っているからです。 世間一般的に言われる、持って生まれた才能・天分という類の言葉を私は指導する時には好まないし、使わないようにしている。 確かに個人差は感じますし、南米やアフリカの少年達の身体能力の早熟さを見ると素材が違うのか、と思わずにはいられない気持ちにもなります。 しかし、その大半は成人する頃には解消されているものなのです。 [感と勘]は外観では見えないものですがプレイする事で見え隠れしますし、メンタリティ(意思・意欲)と同じ位、プレイの質に大きく影響します。 [感と勘]はそれぞれの個性にも通じるものでありますが、意外にもそれを磨こうとはしないものですね。 何故でしょうか? 私見で言えば「無形の改善なんて考えた事も無い」ので、自然に身に付いたと思われているから。 無形の財産ではあるが増やすも錆びさせるも本人次第でもあり[感と勘]は後天的に育まれた「私の宝」でもあるのです。 宝の持ち腐れにはしたくないものですし、人の成長過程で育まれていく事を忘れないで欲しいものです。 それは自然に身に付くものではなく、心を研ぎ澄まして意欲・意思を持って何事にも立ち向かい・感じたり・想像したりすることで[尺度の無い財産]が形成されるのである。 そして忘れてはならないのは、それを楽しむ事である。 Legendと言われる名手には不可欠な要素であると歴史も語っている。 ※ 平田メモ[感と勘]より引用 |