S級の視線
                                    平田生雄

 第22回   【速さと精度
 
 2004年の幕開けはオリンピック予選、W−Cupアジア予選がホーム&アウェイで開催され、日本を代表する選手や次代を担う選手のプレイを数多く観る事が出来ます。
 チームの成績や采配、選手の起用、等々についてはZico、山本両監督に任せてプレイの質を観察してみると日本のサッカーの現状と課題が見えてきます。


 視線を[速さと精度]に置いてみると日本のサッカーの進歩の足跡が判ります。 パスやプレイの速さと精度は反比例する事は自明の理でありますが、サッカーの標準レベルが以前とは比較にならない程、高水準に設定されている。
 速攻、遅攻に拘らずパス・コントロール・プレイ・判断の速さと精度は必要不可欠であり、代表レベルになれば設定は高くなければならないし、当然要求されて然るべきである。


 U−23とA代表の試合を比較しながら「自分の視点で観察」出来る絶好の機会で有ると思いますし、試合数も多いので判り易いと思います。
 私見ですが、U−23の方が高水準で有るように見受けられますが、準備段階で合宿、遠征が万全の状態に調整出来ていたので選手のフィジカル、コミュニケーション、モチベーション等のベクトルが理想的に働いた結果であり、A代表と比較するのは予選終了後にしましょう。
 今のU−23同様に、A代表も2002年には上手く見えたはずです。


 コミュニケーションスキル・フィジカルコンディションとも関連しますが、最終的には「個」の部分に戻るわけでプレースタイルや個性、創造力等々の特徴も不可欠であるが[速さと精度]は選手の必修科目なのです。