S級の視線
                                    平田生雄

 第24回   【些細な疑問
 

 日々の生活で些細な疑問に出合う事が有りますが、殆どの疑問は解決しないまま忘れてしまうものです。
何故なら「困らないし些細な事」であるから頭を悩ます必要が無いのでしょう。


 自分自身に置き換えても思い当たる事が多いので、なるべく疑問に思った事(些細な事でも)はメモに残したり調べたりするように心掛けているのですが「難しくはないが面倒」なものです。


 サッカーの指導していて「ま、こんなもんで良いか」なんて思う自分が許せるなら悩む事も無いのですが、適切で有ったか?別の選択肢は?伝わっているか?等々の「?」を自分なりに評価と反省をするように心掛けているのですが、解決策や方法が見つからない時は「悶々として」寝れないもので、夜中に飛び起きて「あーでもない・こーでもない」その内に夜が明けてしまったなんて経験は私だけでしょうか。


 些細な疑問だから悩むので、重大な疑問は調べたり教えてもらったりして解決出来る事も有りますが(手に負えない場合はギブアップです。)平素、そんな疑問や悩みを抱える事は殆ど無いし、明確な間違い等は訂正と反省する事で簡単に解決出来ます。


 私の[些細な疑問]には「サッカーの基本や常識とされている事」も少なくない。
疑問を抱かずに鵜呑みにするのは性に会わないので「些細な事でも疑って見る」ように心掛けていると「間違いと勘違い?」に出くわす事が多いのである。(あくまでも自分の尺度ですが)


 一例を挙げると、足首の固定・ボールを良く見る・ラン ウィズ ザ ボール 等々「不要な遠回り」をさせる指導を見直してみると[些細な疑問]に辿り着くはずである。


 足首の固定を強いる事で過剰・随伴動作を引き起こすし、ボールに焦点を合わせるとヘッドダウンや姿勢が悪くなるケースが多いし、ラン ウィズ ザ ボールはボールをスペースに蹴り出して追いかけるのではなく走る速さと同調させて体から離れないのが正しいと思うのだが・・・・


 些細な疑問は実践して「選手が納得」出来ればある程度は解消されますが、全て解決することは有り得ないと思っている。
なぜなら私自身サッカー以外にも「山積みの些細な疑問」を抱えていますが、疑問の解消を焦る必要もないと感じているし「サッカーも社会も進化と変化をしている」ので新たな疑問と課題を楽しみにしている。
 「進化と変化」が指導にも生かせるように心掛けている。


 些細な事ですので悩む必要も無いと思いますが参考になれば幸いです。
                            【生】の「些細な疑問」より抜粋。