S級の視線
                                    平田生雄

 第46回   サッカーの殿堂


 (財)日本サッカー協会[JFA]が、サッカーに貢献された方々の功績を称えて掲額するために制定されたもので、第一回の殿堂入り20名が選出されました。
記録と記憶に残る名選手やサッカーの発展に寄与された歴代の会長や代表監督、他が選出されました。

以前の[JFA]は岸記念体育会館の一室で、現在の[JFA−ハウス]の御殿とは比較にならない手狭な事務所でしたから、トロフィールーム等のスペースも無かったようで【殿堂】とかの掲額も先送りされていたのでしょうか。


 サッカーの夜明けと言われた東京オリンピックの強化の為に[白羽の矢]を立てられたのが デッドマール クラマー であり、伝説のトライアングルとも言われた当時の日本代表のスタッフが長沼・岡野・平木である。
 第一回の選考は、東京・メキシコのオリンピックに出場した選手・役員に限定されていたようですが今後は幅広い選考がされると思います。
 選考委員会のメンバーの中にも【殿堂入り】されても良いのではないかと思われる方々も多く見受けられます。


 ジャーナリスト・レフリーも幅広く対象になると思われますが地域のサッカーに貢献された方々も推薦で選考されると嬉しいのですが【殿堂】となると選考基準が厳しいので難しいのかも知れませんね。
 いずれにしても、選手に関しては「好むと好まざる」に拘わらず記録・記憶・功績が最優先されるであろうし、我々の尺度で計るものではないようである。


 不謹慎かも知れないが【サッカーの殿堂】はサッカーフリークには絶好の「酒の肴」であり、サッカーを愛する者であれば「お気に入りの選手」は必ず居るものでセピア色の思い出を引っ張り出して語り合うのも楽しいひとときである。


 世界に目を向けて【世界の殿堂】を語るのも一考かと思います。
スタンレーマシューズ・ボビームーア・ウベゼーラー・フランツベッケンバウアー・ディステファノ・レフヤシン・ペレ・ヨハンクライフ ここまでにしておきましょう。
 独断と偏見で選んでも良いかなと思いましたが【世界の殿堂】ともなれば無難な選択しか出来ないものであり長い歴史の中でも数名しか思い浮かばないもので「お気に入り」の視線では選べないようである。
 少し悩んだ挙句 エウゼビオ・マソプスト(チェコ)・プスカシュ(ハンガリー) は第二回の機会が有れば選出したいと思っている。


 我々の世代ではブラジルから初めて来た選手であり世界の釜本の女房役とも言われたネルソン吉村(故人)や海外移籍第一号の奥寺康彦が選出されるのではないかと予想されるし、次世代では[World Cup]に初出場した‘98年と日韓共同開催した’02年のメンバーから多くの【殿堂】入りが予想されるし[J−リーグ]の功労者であり現役で活躍しているカズ・ゴンは言うに及ばす代表最多キャップ(123試合)を誇る井原正巳も当確であろうと思われる。


 【殿堂】で気になるのはディエゴマラドーナのような存在である。
未だに無邪気で子供のようなマラドーナも捨て難いのであるが【殿堂=紳士】が[Global Standard]である事は間違いないようである。
 破天荒な生涯を送ったガリンシャも一押しの「お気に入り」なんですけど・・・
いずれにしても、我々には無縁の話題ですね。(文中:敬称略)