S級の視線 |
平田生雄 |
第48回 【 Intelligence 】
知力・知性は、人が生まれ持った才能ではなくて後天的に培われる「無形の財産」であり、単に知識に留まらず質の高い行動や思考の源となるものです。 【Intelligence】はスポーツの発展には欠かす事が出来ないエッセンスであり、もし欠如していたとすれば、サッカーは単なる野蛮な球蹴りに過ぎないでしょう。 サッカーのルーツを探ってみると、そのような野蛮な歴史に辿り着きますが、サッカーが[King of Sports]と言われるのは、人々の知力と英知が結集され世界中で最もポピュラーなスポーツとして愛されてきたからでしょう。 【Intelligence】はサッカーの上達にも欠かせないエッセンスでもあるのです。 サッカーは溢れる意欲とサッカーに対する【Intelligence】さえ有れば、選手への道は開かれているし、非凡な才能に恵まれているとしたら、選手として大成する条件が揃っていると言えるではないでしょうか。 上達の分岐点とは @ 改善の意識と意欲 A 必要性の取捨選択 B 成功への優先順位を素直に受け止めて自分の思考を指揮する事が出来るか否かだけである。 何をすべきか真摯に受け止めて完成度を高める事であるが、難しく思えるもので面倒に思えて、雲をつかむような漠然とした目標に思えてしまうものです。 努力が報われずサッカーに向いていないと思うより、サッカーに対する【Intelligence】が足りないと反省出来るのであれば、その可能性は蘇えるものです。 それは、選手のみならず指導者に求められるものかも知れませんね。 選手が指導者に対して何を求めているかは千差万別であり、全てを満足させる事は不可能に近いと思えるが、選手にサッカーに対する【Intelligence】を自覚させて芽生えさせる事が出来るとすれば大きな自信につながるものです。 そのような指導者になりたいと願っているのは私だけではない筈である。 日本のサッカーは飛躍的に発展した国として世界から注目されているのは嬉しい限りであり「JFAの公約」に200万人の登録数と世界のTop−10入りが掲げられています。 代表の試合を見る限りでは、アジアではトップグループであり欧米の先進国と言われた国々とも何とか戦えるレベルになったように思えます。 しかし、それを現実的に実感として、感じられないのは私だけでしょうか? もどかしいような物足りなさを感じるのは何故なのかと苛立ちを覚えますが、何かが足りないと感じている人も多いのではないでしょうか。 先進国と言われる国はサッカーに対して妥協しない、それを許さない厳しさの中で選手が育っているし逞しくなければ生き延びては行けないのです。 南米から世界中に数千人のプロサッカー選手が「出稼ぎ」に行っている事実を知った時には「日本は数人しかいないのに・・・」と驚かされたし、これからも明日のスター達が続々と生まれているのです。 色々な角度からサッカーを見ると楽しいものであり、知力と英知を集結した最高傑作のスポーツに立ち向かって行くと【Intelligence】が垣間見えるように思えます。
【生】のメモ「無形の財産」より |