S級の視線
                                    平田生雄

 第7回   【純が楽しい
 
 
 単純で楽しい遊びは、古来より受け継がれている。
時代に応じて遊び方を工夫する事によって変化して進化するし地域によって微妙に異なるがルーツは同じだったりする。
ケンケンパー・ビー玉・独楽、etc。女の子は、鞠つき・ゴム飛び・お手玉、etc


 サッカーも同じように世界中で愛されている遊びです。
ボールと友達と広場が有ればOKです。友達が増えれば組替えたり広さやゴールを変化させたり子供は純粋で遊ぶ為には努力を惜しまない。
 ブラジルに行った時、トップクラブの指導も学びましたが下町の草サッカーは大人も子供も一緒に試合を楽しんでいる。
太鼓腹だけどテクニシャンのオヤジや喧嘩早い若者とか竹蜻蛉(竹とんぼ)みたいな痩せっぽちのガキ大将が入り混じって昼間から夕方迄延々と続くのである。
 おまけに観客も集まってくるのだ。


 自称「元プロ」のオヤジ曰く、上下が混じってるから飽きないし伝わる事も沢山有るから楽しいのさ。
「遊んで喧嘩別れしても、きっと明日も集まって来るよ」笑いながら最後まで快汗した仲間と一献交すのが日課とか。
ペレ・ロマーリオ・ジーコも環境が育てたスーパースターだ。
珍しいプレーや驚きのフェイントを見ると「もう一回見せて」と上手い大人の周りに集まって見様見真似でトライする。


「模倣は創造の母である」
言葉では聞き慣れているが、彼らは理屈抜きで[純]にサッカーを遊んでいる。
こんな魅力の虜になってしまう自分も[純]だと思っている。